こんにちはAyumiです!
映画鑑賞が趣味で年間100作品以上観ています。
今回の記事では、映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」について紹介します。
ちょっとやさぐれたお爺さんといじめられっ子の少年の成長ストーリーです。
目次
「ヴィンセントが教えてくれたこと」あらすじ
この映画のあらすじは以下です。
ヴィセントはお酒とギャンブルに溺れる初老の独身男。その隣にシングルマザーのマギーと小学生の息子オリバーが引っ越して来る。ある日、マギーからオリバーの世話を頼まれ、酒場や競馬場に連れて歩くヴィセント。やがて、ふたりに友情が芽生えていくが・・・。
アナーキーな老人といじめられっ子の物語。
しかしこの老人、ただものではありません。ラストの展開にうるっと泣きそうになるでしょう。
映画序盤は、破天荒な老人という印象が強いですが、後半でヴィセントの真の姿が明らかになっていきます。
本作のテーマは映画冒頭で語られる
老人と少年の出会いは、少年家族が老人ヴィセントの隣の家に引っ越してきたことから始まります。
引っ越してきた晩、オリバーが母マギーにある本を読み聞かせ感想を述べます。
木の幸せは与えることだ。自分のすべてを与えて最高の人生だよ。
ちなみに少年オリバーが読んでいる本は、シェル・シルヴァスタイン作「おおきな木」です。
「ヴィンセントが教えてくれたこと」おすすめポイント
おすすめポイントは以下です。
・破天荒老人と純粋な少年という対比したコンビが面白い。
・コメディでありながら感動と共感ポイントが多くある。
・人を多面的に見ることの大切さがわかる。
・欠点があるからこそ人間であるという本質がわかる。
こんな感じでしょうか。
▼YouTube予告編はこちら
この映画のラストを感動的に飾るには、本作の第一の主人公ともいえるヴィンセントの素行ぶりを知る必要があります。
いかにアナーキーな老人であるか、彼の素行を以下箇条書きします。
・借金取りに迫られる彼は、子守り代を請求して稼ぐためオリバーを家にあげる。
・小学校低学年のオリバーを競馬場や酒場へ連れて行く。
・妻の死去後そのショックから全財産を競馬につぎ込む。
・かなり歳の離れた娼婦を妊娠させる。
・お金欲しさにランドリーの金庫から金を盗む。
・脳卒中で倒れ懸命のリハビリ後退院するも酒とタバコは止めない。
こんな性にも生活にも乱れた老人に、子守りを依頼するのは非現実的ではありますが、あくまでも映画の世界なので。
しかし、普通の人間が「聖人(優しい人)」であったと結論付けるのでは説得力に欠けます。
だからこそ、破天荒な彼のキャラが必要だったのです。
「ヴィンセントが教えてくれたこと」印象に残ったシーン
印象に残ったシーンは以下です。
「身近な聖人について話す」オリバーのスピーチ
この映画最大の盛り上がりポイントです。
「聖人とは何か?」という授業で、身近にいる聖人について発表するという課題が出されました。そこでオリバーは、ヴィセントを聖人としてあげます。そこでのスピーチです。
スピーチの内容は以下です。
・粗暴な性格で酒とギャングルで溺れているが深く知れば別の面も見える。
・見知らぬ街に来た僕(オリバー少年)の面倒をみて、認知症の妻の洗濯を8年間欠かさず行った。
・僕に喧嘩の仕方や自己主張の仕方を教えてくれた。
・競馬や賭博からがリスクをとることを学んだ。
・猫には良い餌を与え自分は缶詰ばかり食べている。
・欠点ばかりであるがそれは聖人も変わらない。
ざっと箇条書きにするとこんな感じです。
彼にとっての聖人とは、「諦めず」「自分と人のために戦い」「犠牲をいとわない」人物のこと。そして、聖人も同じ人間なのだから欠点もあると主張します。
ヴィンセントはただの飲んだくれ老人ではない
ある一点から彼をみると、お金にも汚く酒に溺れる破天荒な老人です。
彼をみて好意的に思う人はいないでしょう。
しかし、彼の行動を細かくみていくと小さな優しさが散りばめられているのです。
施設に入院する妻のもとに通いながら8年間洗濯を行ったヴィンセント。真のいい加減な人ならここまでしません。
嫌々ながらもオリバーの子守を引き受けたヴィンセント。適当な場面はありつつも、大人の世界に連れ込みオリバーに様々な教訓を与えます。
この映画の最後には、誰もがヴィンセントを好きになるでしょう。
本当はいい奴なのに照れ隠しでふざけてしまう男
本作は「ハートフル・コメディが好きな人」「テンポよく鑑賞したい人」
こんな人向けの映画作品です。
102分と長過ぎない尺なのとギャグが所々にあるためテンポよく鑑賞することができます。
破天荒老人と少年との掛け合いが面白く、父子関係とは違った魅力を感じますね。
第一印象や外面で、その人の人格を決めてしまうことはよくあることです。
その時に感じ得た印象は、経験を重ねた人程ズレることはないと思います。
しかし、ほんの少し視点を変えるだけで新たな一面が見え「悪い人」に寄り添えるかもしれません。
そしてもうひとつ、本作で重要なことは「与えること」です。
お金に汚く酒に溺れたヴィンセントが最後救われたのは、その過程の中で他者に与え続けていたから。
身近にいる聖人についてのスピーチ内でその内容が語られています。
「諦めず」「自分と人のために戦い」「犠牲をいとわない」それがヴィンセント(聖人)なのです。
コメントを残す