こんにちはAyumiです。
映画鑑賞が趣味で、年間で100作品以上観ています。
「ハドソン川の奇跡」に続き、クリント・イーストウッド監督の作品です。
本記事では、映画「アメリカン・スナイパー」について紹介します。
目次
伝説のスナイパーをも苦しめる「PTSD」
この映画のあらすじは以下です。
アメリカ軍史上最強といわれた伝説のスナイパーのクリス・カイルの半生を描いた作品。残酷な戦場と幸せな家庭の狭間で精神が崩壊していく男の葛藤物語。
イラク戦争に4回従軍した実在の狙撃手クリス・カイルがモデルです。
戦争体験の中でPTSDに苦しむ姿も描かれ、「戦争」というものがいかに心にダメージを与えるかがわかります。
戦争から戻っても自殺が絶えない
この映画でも重要なテーマでもある「PTSD」
命の危険は去ったはずなのに心理的な症状に苦しめられ続けるベトナム戦争の帰還兵の研究と通して確立した疾患概念です。
一度の事件や災害でも、東日本大震災のように深刻な心のダメージが10年以上に渡って続くことがあります。
戦争の場合、毎日が「殺人、犯罪」の連続です。
それなりの訓練を受けた兵士であっても、その心はかなり傷つくのは当然のこと。
強い不安や恐怖心、心理的な圧迫感に襲われ周りが見えなくなり、自ら命を絶ってしまう兵士が多いのです。
現役・退役軍人の自殺者数は戦死者の4倍以上とも言われています。
ゆっくりと蝕まれていく日常
本作で描こうとしているのは、伝説のスナイパーとして活躍した1人の勇敢なアメリカ兵の姿ではありません。
単なる1人の子どもの父親に過ぎない男性が、戦争を通じて本来の自分を見失っていくという恐怖です。
戦争に行く前までは何も思わなかった日常の音に対して、帰還後は過剰な反応を示すようになります。
客観的にみればおかしな行動に対しても、カイル自身はそれに気づいていません。
そんな、戦争によって徐々に精神が蝕まれていく様が、巧みな演出で描かれているのも本作の魅力です。
戦争の不条理さを伝える表現
戦争がいかに不条理なものかを描くために本作では、大人が子どもを殺害するというシーンが含まれています。
戦争は大人も子どもも関係なく犠牲になるのは事実でありますが、ここをストレートに表現したのは異例とも言えます。
見ている側も心が痛くなるシーンです。
どれほど容赦なく不条理なものであるか、クリント・イーストウッド監督の思いが垣間見えます。
伝説のスナイパーを突然襲った悲劇
この映画で最も悲しい事実。
「クリス・カイルはその日、力になろうとした元兵士に殺された。」
エンディング直前に流れるテロップです。
伝説のスナイパーであるクリス・カイルは射撃場で元兵士に殺されてしまいます。
2013年2月2日
2013年2月2日クリス・カイルは帰らぬ人となりました。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされていた退役軍人エディ・レイ・ルースによって殺されてしまったのです。
・退役軍人を支援する活動にカイルが取り組んでいることを知ったルースの母親が、息子の助けを求めた。
・射撃をすることで、鬱屈していた精神が解放されることを経験則として知っていたカイルは、ルースを射撃場に誘う。
・射撃場にて、ルースに射殺される。
▼伝説のスナイパーを殺害したエディ・レイ・ルースの半生については、こちらの記事をご覧ください。
>>>『アメリカン・スナイパー』を殺害した男の壮絶な半生に迫る
映画の中では描かれていませんが、ルース自身もPTSDに苦しむ戦争犠牲者だったのです。
名優ブラッドリー・クーパーの役作り
本作品は本来、PTSDに苦しむクリス・カイルの社会復帰までが制作される予定でした。
しかし、制作中にクリス・カイルが射殺されてしまうという悲劇が起こり、期せずしてその死と葬儀までが描かれることになったのです。
今回主演を務めたブラッドリー・クーパーですが、凄腕ソルジャーの役に没頭するため、過酷なトレーニングやエネルギー摂取似に取り組み、約20キロも増量して撮影に臨んだそうです。
そうして徹底的に作り込まれた彼の外見は、まさにクリス・カイルと見間違うほどであり、遺族でさえ本人を思い出して泣いたという逸話があります。
英雄は記憶の中で永遠に生きる
殺人と精神疾患はセットなのかな、という程犯人の背景を調べると出てきます。
正常な判断ができない思考状態であることは明らかですが、未然に防ぐことも難しいように感じます。
現代社会において、精神疾患とどう向き合っていくのかという課題は個人のみならず社会全体の問題として捉えるべきでしょう。
とはいっても解決方法は私自身わかりません。
まずは自分の心の安定を大切にしたいと考えます。
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