こんにちはAyumiです。
映画鑑賞が趣味で、年間100作品以上観ています。
本記事では映画「Us」について紹介します。
目次
世の中で最も恐ろしいのは”わたしたち”
この映画のあらすじは以下です。
幼い頃にふと迷い込んだ遊園地のミラーハウスで、自分とそっくりな少女に遭遇した、という恐怖体験がトラウマとして残るアデレード。今は夫と2人の子どもたちと幸せな家庭を築くが、ある日自分たちとそっくりな集団に遭遇し一家に惨劇が襲いかかる。彼らを襲うドッペルゲンガーの正体は・・!?
この映画のテーマは階級差別問題です。
非常に細やかに練り上げられた設定ゆえ、「よくわからなかった」という声もちらほら。
なぜ、階級差別問題と繋がるのか詳しく書いていきます。
”デザード”とは一体!?
赤い服を着たドッペルゲンガーのことです。
彼らは政府によって極秘に製造されたクローン人間で、外界からは完全に遮断された地下での生活をしています。
地上にいるオリジナルとは魂が繋がっており、その行動は常に同調しているんですね。
しかし、同じ容姿・同じ能力を持ちながらその待遇には天国と地獄の差がありました。
それは、アデレードのドッペルゲンガーである”レッド”のセリフの中に表れています。
同じ人間でありながら、出自によって「富裕層」か「貧困層」に分けられてしまう。
そして、それによってその後の人生が決定してしまう階級社会を表しているものと思います。
「私たちはアメリカ人だ」に隠されたメッセージ
アデレードのドッペルゲンガーである”レッド”のセリフでもうひとつ。
先述したようにクローン側は、貧困層の象徴です。
映画のタイトルでもある「Us」とは「私たち」という意味だけではなく「アメリカ合衆国(The United States of America)」そのものを表しているのかもしれません。
「ハンズ・アクロス・アメリカ」への批判と皮肉
映画冒頭、テレビCMで流れる「ハンズ・アクロス・アメリカ」
本作のテーマを示す重要なシーンでもあります。
これは1986年に実施されたイベントで、アメリカ国内のホームレス問題・貧困問題を救済しようと立ち上げられたもの。
参加者は10〜35ドルの寄付金を支払って手を繋ぎ、人間の輪を15分間作り上げました。
主催者はあの「ウィ・アー・ザ・ワールド」をレコーディングした団体「USAフォー・アフリカ」
それゆえ、皆で「ウィ・アー・ザ・ワールド」などのチャリティー・ソングを歌うという大掛かりな試みでした。
収益は目標の半分以下
「みんなで手を繋いで連携しよう!構造的不平等を打破しよう」
オノ・ヨーコさんや当時の大統領ロナルド・レーガンも参加したこの慈善イベントは失敗に終わりました。
1億ドルの寄付金を目標としたものの集まったは半分にも満たない3400万ドル。
そのうち1500万ドルは経費に消えていきました。
途方も無い時間と経費を費やしたわりに結果は伴わず、偽善チャリティと化しました。
クローンが手を繋いでいる理由
アデレード達の前に突如出現したドッペルゲンガー。
手を繋いで佇んでいるのが印象的ですが、その意味はもうわかりますよね?
「ハンズ・クロス・アメリカ」への批判・皮肉です。
参加者の多くが中流〜上流階級の国民であり、自己満足のみならず売名のために寄付金を支払った人もいた運動「ハンズ・クロス・アメリカ」
地下に住むクローンを貧困層と見立て、その反逆を表すシーンです。
暗闇の中に、ぼや〜と見える影はマジで恐ろしいです!!!!
散りばめられた伏線!謎のナンバー1111の意味とは?
この映画には”1111”という数字が何度も登場します。
・「エレミヤ書11章11節」と書かれた札を持っている謎の男
・クローンが襲ってきた時刻11時11分
・ゲイブが観戦してる野球の試合のスコア11対11
・救急車を真上から捉えるラストシーンには屋根に1111の数字
果たしてこの数字には何の意味があるのか・・・?
エレミヤ書11章11節
旧約聖書「エレミヤ書11章11節」には人類に対する警告が書かれています。
それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。
「エレミヤ書」は、旧約聖書における三大予言書のひとつです。
神ヤハウェに従わないイスラエルの民は、バビロンによって滅ぼされるだろうという「破滅」が予言されています。
この予言書を本作で例えるならば、「わたし=神ヤハウェ」「彼ら=人類の人々」「災い=ドッペルゲンガーの襲来」となります。
神はドッペルゲンガーの襲来を人々に下す。人々はそれを免れることはできない。人々がわたし(神)に助けを求めても、わたし(神)はあなた達の言葉に耳をかさない。
階級差別問題に対する無関心、そしていつか訪れる災いを”1111”という数字で表しているのではないでしょうか。
反逆の時を狙っている人はこの瞬間も存在する
地下に住むクローンは決して人の目に触れることなく、閉じ込められながら暗闇の生活を強いられています。
政府の政策により、そのことに誰も気づいていません。
しかし今か今かとその反逆の時を狙い、実行に移すときが訪れました・・・。
本気でやろうとする人を止められない
2022年7月9日安倍元総理が演説中に銃撃されこの世を去りました。
この事件を受け「見えない弱者を救うにはどうしたらいいか?」というテーマで話し合う番組があり、その中でゲスト出演されていた「ひろゆきさん」の言葉が印象的でした。
「最後だからやり返してやる!どうせ死ぬんだから」そうなると無敵です。
・2021年10月(衆院選投開票前)
京王線の車内でジョーカーに扮した男が刃物を振り回すなどして乗客17人が重軽傷
・2021年8月
小田急線の車内で男が刃物を振り回し乗客10人が重軽傷
貧困や差別をどうなくすか?
全てを平等というのは不可能だと考えます。
育った環境も能力も違う人間が同じというのは逆に怖い。
この言葉にあるように「生存権」というのがポイントかもしれません。
生活保護の申請をしたいのに不当な理由で拒否されるとか、被害者よりも加害者の方が生活が豊か(刑務所に入って衣食住に困らない)とか、その辺りの改善が日本には必要です。
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