※本記事はプロモーションを含みます

WAVES(ウェイブス)

明けましておめでとうございます。

映画鑑賞が趣味で2022年は120作品を観ていましたAyumiです。

今年は観た作品の概要整理をするためにも簡単な記事に起こそうと決意しました。

2023年1作品目は「WAVES(ウェイブス)」です。

壮大なネタバレを含みます

WAVESはどんな作品?

この映画のあらすじは以下です。

レスリング部の優秀な選手として活躍する成績優秀な男子高校生・タイラー。恵まれた家庭環境で育ち恋人とも順調で何不自由なく暮らしていた。しかし、肩を負傷したことから彼の運命が狂いだしていく・・。

完璧とも思えた人生がひょんなことから狂い出すというストーリーはよくあるものです。

そして完璧だと思っている本人がその現実を受け入れられず苦しむという構図も実際の人生であるのではないでしょうか。

人々
そんな時どう立ち上がればよいのか?
人々
あの時代には2度と戻れないかもしれない・・

そう思うのではないでしょうか。

悩み苦しむ人にヒントを与えてくれるような作品です。

 

WAVESのジャンルはシンプルストーリー

この映画のジャンルは、プレイリスト・ムービーです。聞き慣れないジャンルかと思います。

映画「WAVES(ウェイブス)」では31もの楽曲が使用されています。シーンに合わせて楽曲が変化し、状況説明や登場人物の心情を代弁。

メロディや歌詞が物語とシンクロし、登場人物の心の声を代弁するという作品は以前にも観ました。

2022年に話題になったNetflixオリジナル作品「First Love 初恋」も同ジャンルかと思います。

 

映画の前半と後半で主人公が交代する

幸福な日々がある日を境に絶望へと変化する物語。

映画「WAVES(ウェイブス)」では物語の前半と後半で主人公が交代するような構成になっています。そこが面白い。

人生の失墜を加速させた彼女の妊娠

肩の負傷だけではなく、彼の人生を大きく狂わせたのは彼女の妊娠です。

お互いまだ高校生。その状況での妊娠は2人だけで解決するものではありませんでした。

タイラー
堕ろして欲しい・・
彼女
産みたい!

どうすることもできないタイラーは彼女の気持ちを汲むことができません。

肩の負傷で選手生命が絶たれた中での彼女の妊娠は、彼の精神状態を大きく乱していきます。

そんな中、自身の突発的な怒りによって最愛の彼女を失う事件を起こしてしまうのです。

ある青年との出会いで再生していく妹

兄が犯してしまった罪により心傷してしまう妹・エミリー。そんな落ち込む彼女に声をかけてくれる男性が現れました。

彼は元々エミリーに好意を寄せており、それもあって2人の距離は急速に近づいていきます。

彼の家庭環境も少し複雑で、離れて暮らす父親との関わりを近くでみるにつれエミリー自身も家族との関わりを再考するようになりました。

 

大きなハッピーエンドはないけれど・・

結末として大きなハッピーエンド演出はありません。

兄のタイラーが刑務所でどうなったのかは描かれていませんし、エミリーも彼と最後どうなったのかはわかりません。

崩壊しかけたエミリー家族が再構築したのは最後のシーンで描かれますが、その先のストーリーはありません。

あくまでも幸福な家庭が崩壊していく様(前半)とそこから再生していくまでの過程(後半)を描いた物語です。

 

SNSが劇中のキーアイテム

最後に現代を表す構成について書いていきます。

妹・エミリーは被害者でありながら、SNSで誹謗中傷を受けます。加害者の関係者として世間から見られ苦しんでいきます。

スマートフォンの画面から日常に引いていく動きは、まさに現代人の視線を可視化したもの。

犯罪者が逮捕されたり、仮に亡くなったりした後もSNSはネット上に残り続けます。

そのおぞましさはタレントの自殺などここ数ヶ月で起こった痛ましい事件をも想起させます。

まさに現代を表す構成といっても過言ではないでしょう。

 

総評

順風満帆だった家族が、ほんの些細な出来事をきっかけに崩壊していくというストーリーは正直重いです。

しかし、登場人物の心情を代弁するような楽曲が流れることによって、その空気が緩和されるように感じます。

この映画を単純に観ると、やんちゃなタイラーの失態としか思えませんが、アフリカ系アメリカ人の生活実態を考えると複雑な思いを抱いてしまいます。

なんとしても息子を成功させて、警察にホールドアップされない生活を送らせたい。

そう願う父親の愛情は本物ですが、その愛が強すぎるゆえ過度なプレッシャーを与え息子を追い込んでいきます。

厳しすぎる親と子の関係は普遍的なテーマとして描かれることが多いです。家族との関係に悩む人は一度視聴すると良いのではないでしょうか。

ホールドアップ:抵抗の意思がないことを示すために両手をあげること。

 

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