※本記事はプロモーションを含みます

性暴力加害者のナンセンス思考を描いたドラマ【ある告発の解剖】

こんにちはAyumiです!

映画鑑賞が趣味で、年間100作品以上を観ています。

さて、先日下記のツイートをしました。

性暴力のナンセンスを描いたドラマ「ある告発の解剖」
政治家の夫の浮気から物語は始まりますが、話が進む中なでレイプ問題へと発展。

合意はあったのか、なかったのか?

性暴力が起こるまでの問題、起こった後の問題を指摘した作品。
裏テーマは世代間によるジェンダー概念の違い。

本記事では、Netflixリミテッドシリーズ「ある告発の解剖」について紹介します。

リミテッドシリーズとは、1シーズンで完結するドラマのこと。

 

”不倫をしていただけ”では済まされない

本シリーズは、英ガーディアン紙の元政治部記者であるサラ・ヴォーンが2018年に発表した小説「Anatomy of a Scandal」を基に制作されています。

当時SNSを中心に広まった#MeToo運動の影響で、瞬く間に世界的ベストセラーになった作品です。

この映画のあらすじは以下です。

シエナ・ミラー演じるソフィーは、夫で保守派の政治家ジェームズが部下のオリヴィアと浮気していたことを知る。しかしその後、オリヴィアがジェームのことをレイプで告発し、裁判を起こしたことで、社会に潜む様々な問題を明らかにしていく。

社会における特権や権力、社会階級などを探求し、性暴力が起こるまでの問題、起こった後の問題を指摘したドラマ。

議員ジェームズ
自分は不倫をしていただけでレイプはしていない

と本気で思っている加害者側の思考に着目したい!

 

#Me too 運動で世の中を変える

#MeToo運動の影響で、瞬く間に世界的ベストセラーになった作品ですが、そもそも#MeToo運動とは?

「私も。」を意味する#Me too は、今まで沈黙されてきた問題を多くの人が公表することで、世の中を変えていこうとする動きから生まれたハッシュタグです。

そして、沈黙されてきた問題とは性的被害のことを指します。

この問題に目を向けてもらおうと、セクハラや性的暴行を受けてきた人たちがSNSを利用して被害を告白しています。

 

性的被害を証明することの難しさ

英国の議員が女性から性的暴行で訴えられ、その裁判が進むとともに過去の様々な事実が明らかになるストーリー。

法廷シーンがメインであり、裁判では同意があったか否か?が終始問われます。

女性はノー(同意はない)と言った証言をするのに対し、議員の回想では女性が誘ったこと(同意あり)になっています。

性犯罪を立証することがいかに難しいことかと思わされます。

そして少しネタバレになりますが、レイプを告発した女性は以前から議員と不倫関係にありました。

弁護人アンジェラ
今までは同意していたのに、なぜその時は拒否したのですか。
弁護人アンジェラ
この場所ではダメと言いましたが、はっきりNOとは言ってませんよね。

などの弁護人の発言から、女性の証言に信憑性が欠けたのか最終議決で議員は「無罪」になります。

特権階級で育ち、幼少期から何でも手に入った男性の根底には「学業もスポーツも努力した優秀な男性は何でも欲しい物を手に入れることができる」そんな価値観があるのでしょう。

議員ジェームズ
don’t be such a prick teaser(思わせぶりな女、というスラング)

この発言からも、相当女性蔑視が見てとれます。

法廷で語られる性行為は生々しく、それを被害女性の口から語られるのは観ている私も精神的に辛いものがありました。

72時間以内の対応

補足ではありますが、もし性的被害を受けた場合、被害から72時間以内であれば、緊急避妊薬を服用することで、望まない妊娠を防ぐことが可能です。

シャワーなどでの膣洗浄に避妊効果はありません。緊急避妊薬を処方してもらいましょう。

緊急避妊薬(アフターピル)の処方には医師の診察が必要であり、薬を入手するためには必ず病院へ行かなければいけません。

現状日本ではアフターピルを薬局で購入することはできません。

そしてアフターピルは保険適用されないため高価なのも特徴です。

ジェネリック医薬品の開発により、低価格のものも販売され始めましたが、それでも6000円〜2万円程と他の薬に比べて高価のが現状です。

薬の種類によって妊娠阻止率は違っていますが、72時間(3日)以内の服用で約70%以上と言われています。

 

裏テーマはジェンダー概念の違い

劇中ではわかりやすいジェンダー問題発言が続出し、突っ込まれます。

90年代思考のままでアップデートできないと大きな損失をまねく時代

そんな皮肉が込められたドラマでもあります。

登場人物のセリフの中に潜む、鋭く切り込んだジェンダー概念は見る価値ありです。

かわいい雌馬

夫ジェームズの不倫が発覚した際、保守党のスタッフが相手の女性を

保守党
かわいい雌馬(filly)

と表現します。

すぐさま妻ソフィーは、

ソフィー
彼女は馬ではない(She’s a woman, not a horse)

夫の不倫相手をよく思うはずない妻がそれとこれとは別!と言わんばかりに、とっさに違和感を言葉にします。

浮気は男の性分

政界にいる年配の男性がジェームを慰める目的で発した言葉。

政界の男
(浮気なんて)男の性分だよ。

それに対して妻ソフィは、

ソフィー
(母が生きた時代のように)ただ耐える人生なんてありえない!!

と怒りをあらわにします。

それまで夫に従ってきた自身を責めている発言にも思えます。

 

日本にも存在する世代間ジェンダー思考のギャップ

ケイト
この国(イギリス)では、妻への性暴力を1991年まで法で裁けなかった。

というケイトのセリフは皮肉めいたもので、90年代以前と以後に生まれた世代では、ジェンダー思考への大きな違いがあることを示唆しています。

ちなみに日本では2001年にDV防止法が施行されました。

イギリスと10年の差はありますが、90年代思考のままであることが問題視されているの同じです。

DV法とは、配偶者からの暴力を防止し被害者を保護するための法律

見過ごされてきた家庭内暴力

2001年に制定されたDV法ですが、規定前は「家庭内のトラブルに法律は介入しない」という考えがあり、家庭内暴力が見過ごされてきました。

DV被害が助長され危険な目に合う女性が増え、男女の平等も実現できないことからDV法が制定されるに至りました。

明らかにならなかった家庭内暴力は数多くあったと思います。

何でも許されたひと昔前のジェンダー思考を引きずりがちの世代に向けて、痛烈な戒めを込めている作品でもあります。

Netflix限定のシリーズなので、興味がある方はぜひ観てみて下さい!

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